ご相談窓口フリーダイヤル0120-276-361

補完医療・代替療法の注意点

補完医療について

治療の時期を逸することがないよう、冷静な判断が必要

がんの標準治療は、外科療法、放射線療法、化学療法 (抗がん剤、ホルモン剤)です。

がんを治すために、これらの治療は重要で、標準治療ができない余程の理由がない限り、これらの治療を受けずに、補完医療・代替療法だけに頼るのは非常に危険なことで、たとえば、手術をすれば完全に治るがんも、治療の時期を逸すれば治らなくなります。

補完代替医療のメリットとデメリットを充分に理解して、利用するかしないかを冷静に判断しましょう。

健康情報に対する心構え 3ヶ条

残念ながら、現在の日本には、補完代替医療に取り組む専門の政府機関がなく、この分野における情報収集と情報発信においていては欧米と比べて遅れています。

そのため、補完代替医療に関するメリットもデメリットも、十分な情報が得られないまま、補完代替医療に取りくむ患者様も多いようです。

独立行政法人国立がん研究センター / がんの代替医療の科学的検証に関する研究班では、補完代替医療に関する情報収集について 【健康情報に対する心構え3ヶ条】 を提唱しています。

ものごとを疑う

「ものごとをうのみにしていないか?」「かたよったものの見方をしていないか?」など、与えられた情報に対して自分自身がどう判断しているか、客観的にもう一度考え直してみましょう。

大切なのは、与えられた情報に対して一度自分なりに吟味してみることです。

疑い深いと思われるかもしれませんが、「健康食品でがんが消えた」といった体験談を書いている人は、健康食品以外にも化学療法をしていたかもしれません。「がんが消えた」というのも本当にレントゲンなどの画像検査で確認されたかどうかも、画像写真がなければ分かりません。

柔軟に考える

情報を一面的にとらえるのではなく、多面的に見たり考えたりすることが重要です。

がんにかかり精神的にパニックになっているような場合や、マスコミが大々的に報道し健康情報が大ブームになっているような場合は、情報を一面的にしか見ることができなくなります。

そのような時にこそ、柔軟な考え方を忘れないようにしてください。

単純化しない

「健康食品でがんが消えた」など、ものごとを単純化・一般化して考えてしまうと、何となくよく分かったような気がするものです。

しかし実際にはものごとは複雑にできています。何にでも当てはまるのか、例外はないのかなど、もう一度冷静になって考えてみましょう。ものごとをとらえる時の重要な情報を見落としてしまう可能性があります。

過去のアガリクス事件

2005年、一部の心無いアガリクス販売業者による飲用体験談の捏造事件がありました。

単なる営利のために架空の体験談をつくり、患者さんやご家族に根拠のない希望を持たせ、そして裏切ったこの事件はあまりにも罪が深く、決して許すことはできません。

一方、アガリクスそのものには 学術的にも一定の 【免疫活性作用】が報告されていますし、飲用をきっかけに、本当に事態が好転したという事例があることも真実でしょう。

がん治療において、希望を失ってしまうことほど、身体に悪影響を及ぼすものはありません。たとえ通常治療(標準治療法)による経過が思わしくないとしても、補完医療・代替療法を上手に利用することでがんの治療効果を上げられることもあるはずです。

そのように考えると、
「疑ってかかかる」
「落ち着いて考える」または、
「迷った時はしない」
と いうように冷静な判断を心がけると同時に、決して希望を失わずに、広く情報を収集することで、本当に期待のもてる治療法に出合うことができると思います。